心得


 1, 危険に近寄ってはいけない

 2, 災害現場には英雄は必要無い!

 3, 単独行動を行ってはいけない

 4, 周囲に迷惑をかけてはいけない

 5, 連絡のとれない状態になってはいけない

 6, 物事を強要してはいけない

 7, 協力を惜しんではいけない

 8, 無闇に撮影してはいけない

 9, 無理・無茶をしてはいけない

10, 生命保険未加入者は活動出来ない

 

ボランティアは法による規制も無く、自主性による自責の活動と位置付けられています。そうかといって、全ての活動者が好き勝手してしまうと収集がつきません。その為には、どこかの部署がSTOPをかける役目にならないといけませんよね。

 

民間防災では、支援タイトル(活動枠)を定め、ボラの立場と活動内容の両面で「やってはいけない事に適応したルール」を定める様にしています。そうする事で携わりある者の安全にもつながり、民間防災の最終目標である「防災人万人化計画」へも一歩近付く事になります。

 

防災ボラ・災害時支援ボラなどと多くのカテゴリが存在しますが、「生活では自身の安全対策を施してから!」また、現場でも「要救助者にならぬよう!」厳しく指導しています。

怪我をしてしまうと次の行動が著しく悪化する事を肝に命じ、アクションを起こしましょう!


1、危険に近寄ってはいけない

★逃げるが勝ち!! 火山「噴火」

自然災害でもっとも危険なのが「噴火」です。

頭上には、高温火山灰も降ってくれば、岩をも吹き飛ばしてきます。

また、火山ガスといった有毒ガスも発生します。

噴煙が悪天候を引き寄せ、特に、土石流・火砕流は突然発生する事もあり、近づいて様子を伺ったりする事無く、付近の世帯に声を掛け、独歩出来ない方が居るなら応援を呼び、いち早く全員を避難させる手助けを行ってあげて下さい。

その後は、避難所運営にお力添え下さいませ。

《参考:噴火警戒レベルの説明》

※注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる

※補足:平成19年12月1日から噴火予報・噴火警報を発表しています。今回の予報は、従来の火山観測情報に相当します。


★水には近寄るな!! 水害(洪水・津波)

通常、水害を対象にボランティアが活動する場合は「水が曳いた後」からとなり、洪水発生中は、公的機関と水防団や消防団が動きます。

 

ボランティアや地域住民は、河川直近へは危険が伴う為、立ち入れませんので、行うとしても「土のう」の中間搬送や、積み上げの後方支援までとした方が賢明です。

ただし、避難勧告が出された時点で各戸に訪問し、指示する事は必要です。

「勧告」は、TVやラジオ・行政防災無線などで流しますが、住民の中には、『目や耳の不自由な方』『寝たきりの方』も居られます。そういった方々への『訪問告知と介添え支援』が必要となります。そこで、手の空いた方は訪問告知を行い、最悪の事態を防ぎます。

大雨とあれば当然、足元も悪く、降ってくるものからも身を護らねばなりません。そこで、搬送車輌も必要となり、扱いの出来る《福祉有資格者や専門職》での活動体が必須となるわけです。ここからが、業界ボランティア・専門ボランティアといった、有資格部門での支援体制を整える必要性が出てくるのです。

そう考えると、「防災」と「ボランティア(支援活動者)」が密接な関係にある事がご理解いただけるかと思います。

■水が曳いた後が本番 

さて、水が曳いた後は、側溝のドロあげや被害民家の家財道具等の搬出、道路保全、崖の修繕、崩落阻止など、重機と人の手による作業が行われます。

また、下流域では行方不明者の捜索活動も行われます。この場面では、海ならば「漁船」や「ダイバー」、「水上バイク」。河口から上流では、「カヌー」など、それぞれの愛好者や協会等が公のバックアップを行います。

この部分も「有資格者支援」となり、職務(仕事)が絡む場合は「業界支援」とも言えます。

 

いずれにしろ、多くの場面には「有識者や有資格者」が必要となり、資格が必要という事は、それだけ「取り扱いへも神経を使う」という事です。そう考えると災害時は、一般住民(一般ボラ)には直接手掛けられない事の方が多い!という事も知っていて下さい。

 

さて、その頃陸地では、水が腐食し始め、安全衛生面でも神経を使う事となります。

下水や浄化槽の中身も流れ出している為、踏みいれば全身の消毒を!

使用した道具類にも、カビや大腸菌が付着し、健常者の元にやってきます。

これらも事前に防御しなければなりません。

 

また、マスクやプラスチックグローブ・ゴム手袋と言った、通気性の悪いものを使っての作業が続く為、水分補給と休息をこまめにとる必要があります。

作業時間も制限する必要があり、短日で片づくペースにはなりません。

 

乾燥した土ぼこりが舞い上がる場所では、肺に根づいてしまう菌があり、マスクを外す事は出来ません。(詳細は次項にて)


★触らぬが仏!! 

細菌テロ・口蹄疫・鳥インフル・炭疽菌・放射能etc

中でも全くといって手のつけようが無いのがテロ行為です。

爆弾や薬品を用いる事も多く、発生を予期する事も出来ない状態です。

生物兵器を使われると、目に映る物では無い事で、初期の事態を甘く見てしまう恐れがあります。

現に、1995年3月20日、オーム真理教による東京地下鉄サリン事件が発生。駅員が倒れこんだ乗客を介抱する間に、揮発した空気を吸い込み、おう吐。内数名が命を落とされました。

 

また、本来の菌であれば、潜伏期間中に気がつかない内に、接触した人たちへ感染していた。という事もあります。

事案の性質上、渦中とならない限りは「直接介入」は避けるべきでしょう。

 

★★★★★★★ 関連する為、記載します ★★★★★★★

 

健常者であっても、被災後の対処が悪ければ、肺炎にかかりやすくなります。身体が濡れて乾かすまでに時間がかかる場合もあれば、長時間、水中でさまよっている場合もあるでしょう。体力任せには出来ないところも穴といえます。

 

水害後にはアルカリ性の消石灰などを用い、消毒代わりにまく事があります。地面には定着させやすいのですが、水没した品々には時間がたてばカビが発生。これらの駆除に必死となります。

 

タタミやアルバム、着物(衣類)などと、タンス、戸棚。家屋では壁や床、天井。あらゆる場所に発生するのです。それらにはエタノール(無水アルコール)を含ませながら、拭き上げて行きます。

■マスクの理由

それから、一番注意すべきは、食中毒の原因となる大腸菌も浮遊します。

 

時季によってはO-157、ノロウィルスなども発生し、特にノロはアルコール消毒では除去できません。漂白剤を薄めたものを散布するか、対象となるところに染込ませ、乾かして定着させてから拭き上げます。

 

ご覧頂けた方は、被災地でマスクをしている理由が理解されるかと思います。現地に行ってもけっして着けて行かない、着けて来ないを守りましょう。

 

アルコール消毒液・消毒剤入ウェットティッシュ・カバーオール・マスク・プラスティックグローブこれらは必需品です。

 

☆☆☆☆☆以下は「東日本大震災」時の「環境省喚起」☆☆☆☆☆

環境省は、被災地で活動するボランティア等に防じんマスクを着用するよう呼びかけています

 

被災地では、建築物等の解体・改修工事やがれきの処理に伴い、粉じんの飛散が懸念されています。

調査の結果、アスベストはそれほど飛散していないと考えられていますが、一般粉じんでも健康に影響を及ぼす可能性がありますので、被災地での活動の際には、防じんマスクの着用の徹底が必要です。

 

また、防じんマスクは正しく着用しないと十分な性能を発揮しません。取扱説明書に従って正しく着用しましょう。

(社団法人)日本保安用品協会では、防じんマスクの正しい着用方法について指導を行う保護具アドバイザーの派遣等も行っています。必要に応じて活用してください。


2、災害現場には英雄は必要無い!

公職には職務権限と同時に、行ってはならない規制も設けられています。

そんな公職でも「立ち寄れない危険な場所がある」と言う事を知っていて欲しいのです。

 

ボラは自分の身をかえりみず、わざわざ危険が待ち受けている最前線に立つ必要はありません。例え家族が居ようとも。

 

渦中となっても、現場の「自衛官・警察官・消防官」と「公設活動隊」よりも前に出ない事をお約束下さい。災害時の影響は、表面からは伺い知る事は出来ません。この部分には、想像出来ないほど危険が待ち構えています。災害時は、先ず「最悪」を考えて動く事となりますので、まだ誰も踏み入れていない、未知の世界へは、安全と判断出来るまでは、踏みいる事をあきらめて下さい。かなりのジレンマが発生しますが、これも心しておいて下さい。これを無くす為に「事前活動(減災)」が必要なのです。

 

先にも述べましたが、津波の余波次波の襲来、濁流や斜面崩落に巻き込まれると、余計に手間を取らせる事になります。これらを除去するだけでも、以後の活動軽減につながります。

 

警戒区域が設定された場合には、決して規制線の中には立ち入る事無く、逆に立ち入りそうな方たちが居たら、それこそ引き止め役になって下さいね!


3、単独行動を行ってはいけない

複数名で活動する事により、一人の手がふさがっていても、他の方たちが救援を呼ぶ事も出来ますし、救助の手を差し出す事も可能となります。

 

万一、アナタが川に流されていたら、誰が助けを呼んでくれますか?

 

理想は3名1チームで活動出来ると、より一層、安全性が高まります。

2名では1人を救う為に手が離せない場合もあり、3名ならば残りの1名が救助を呼びに行く事も可能となります。

 

また、一人で判断出来ない問題も、複数の知恵で解決へも向っていけます。

これらを考慮し、活動は必ずチームで行います。


4、周囲に迷惑をかけてはいけない

災害現場では、指導者の指示を聞き入れなかった結果、思いもよらぬ出来事に遭遇する事があります。

 

路上には、クルマにもたれ掛かる電柱も多数あり、通行を妨げていました。その車輌を移動させようと、クルマのボディーに触れた瞬間「バシッ!」。電線がボディーに接触していた為、感電した瞬間でした。

この様に、どこに危険が?と勘を働かせることも平常時より増えます。

 

現場では、総ての危険性を知らせるヒマも無く、せめて、危険予知(K.Y.T)が出来る程度となってから、直接的な活動を考えていきましょう。

 

それから宿泊スペースの確保は、極力、フラットスペース(グラウンドの隅や空き地など)で、できれば自衛隊などの公設部門に近い場所をお勧めしますが、野営テントを設営する場合、発生初期には自由が効かない事が多いのです。

ガレキや土砂が散乱している時期には、当然、スペースは得られませんし、無理に設営しても、以後の排除作業の邪魔となります。

ここでも、電線がたれ下がっているなど、周囲の被災度で左右されますので、その場の危性険を察知し、少しでも安心な場所を選定します。


5、連絡のとれない状態になってはいけない

前項までに附随しますが、万一、二次災害に巻き込まれたら、何で連絡出来るか?を最低限、気にしておくことです。

 

活動体には、通信を軸とする活動隊も存在します。万一、あなたに備わっていない時は、協働を依頼するのも手段です。

 さて、ある現場で「老人ホーム」から、足のおぼつかない老人数名を、付近の病院まで連れて行くのに、何の連絡手段も無いまま向おうとしていた為、ストップをかけた事があります。

 

ちょうどハンディ機を2つ持っていたので、その内の1台を職員に手渡し、職員一名をプラスして私はその場に残りました。

 

なぜかというと、管外支援者は土地勘も無く、引率しても地番どころか町名も分からない!からです。

仮に、引率側につき、職員と私でコンビとなったなら、その職員が二次災害に巻き込まれた際、その場の詳細は私にはわからないのです。

緊急時には所在を「正確」且つ「ピンポイント」に伝えられる事が必要!だと思っていますので、この時はその場での滞在を考えました。

ホームにはまだ数名の職員も居ましたので、ホーム側の住所は把握出来ますし、出先へ救援に向う場合も、その病院までの地理を知っているホーム側の職員で可能となります。


6、物事を強要してはいけない

好意の押し売りとなら無い様に

立場的には「ボランティアを行う側」と「起動させる側」があります。 「起動させる側」には、ボラセンを立ち上げる「社会福祉協議会」さんと「ボランティア・コーディネーター」の皆さんです。

双方とも現地からの「ニーズ」により、人員を募集したり、割り当て等を行い、発生したニーズの解消役として活動指示がなされます。

 

厄介なのは、「ニーズ外」で入り込んで来る、一般ボラや日替わりボラです。中には我が物顔で団体でやって来る、ボランティアツアーもあります。

 

管外からの活動者にとっては、「いったいどこからの指示で動いているの??」かさえも分からないまま、次から次へと指示される。そんな場面もあり、従来のリーダー達でさえも、悪夢のような状況下、且つ、長期活動する内に、徐々にイラつく様にもなります。

 

内面をカバーするには、側近の方々の協力が必要となって来ますよ。

それを打開する為にも、活動のタイトル化が必要なのでしょう。

 

民防では「指揮命令系統」を潤滑にする為、活動枠を定めてチーム化し、専用のルールや取り決めを作る様に案内しています。

 

活動枠を設定する事により、強要されずに事が進む様にも出来ますので、チーム(隊)構築時には、頭のスミにおいておきましょう。

 

また、個人活動者は最低限、「操作のできるグッズ」を持参するか、「扱える部門」を明記した「有資格者証」を準備しておくと、ボラセン受け付け時に利便性が高まります。

「何ができますか?何日間居られますか?」は、先ずはじめに聞かれますので…。


7、協力を惜しんではいけない

物事を強要されないで協力を惜しまない。

何とも難しい事でしょう。

 

広域災害の場合、発災日から3日間は、何から着手して良いかも判断出来ず、何に対して何人必要か等、調べようも無いのが現状です。

そうした時、隣接圏の方々が率先して入って来られて、情報集積と配信作業を行って頂きました。

先ず、「これが欲しい。これが知りたい。」といった投げかけに答えてくれる方々が、スタート地点で必要だと言う事。キッカケを作る事で、後に続け!前にならえ!となって頂けた事が、災害時には有効だったのかな?!と思います。

結果、善し悪しは後の話で、先ずは、その場にいる方々が音頭をとり、協力者が何人動いてくれるか?で、事態は好転する!と言う事です。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

さて、その情報収集ですが、全ては「目の前の情報」から始まります。次いで一枠外の情報、そして一番の要は、得た情報をどうやって、外部にもたらすか?なのです。

 

そこには情報の鉾先と、信憑性も絡んで来ますので、ネットワーク回線のつながらない時の、ネットワークが重要ポイントとなります。

 

現代ではEメール、ツイッター、ブログ、フェイスブック、スカイプ等、様々なツールがありますが、電気供給と回線破断を克服しなければなりません。そして渦中では、どこまで影響しているのか?が見えない為、内側から外に伝書鳩を飛ばす事が出来ないのです。

 

そこで、影響の無いグラデーションエリアから入り込む際には、「○○町は携帯電話がつながるよ!」といった情報をもたらして欲しいのです。

 

■情報の伝達もアナログ

電気通信網が生きている場所が特定されれば、そこまで向い、情報を発信させる事ができますし、その地点に「通信の中継部隊」を置く事も可能でしょう。

 

これが初期の「現地情報を伝える手段」であり、協力して欲しい部分でもあります。

 

災害時は、「世の中の利便性が高くなる分、それに依存する事のできない世でもある」と言う事を理解しておいて下さい。

 

電気が無ければ、ロウソクや懐中電灯になります。移動手段も燃料が無ければ、自転車や徒歩となるでしょう。表示物もパソコンやプリンターは使えません。手書きです。当然、コピーは効きませんから、複写にはカーボン紙が必要!

ここが、デジタルからアナログに戻る瞬間でもあります。

 

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さて、この場面では何と言っても「飛脚」活動に尽力頂く事となります。

 

一日中、動き回る事にもなりますし、初期にはルート(情報の鉾先)すら見出せない為、側近支援者(協力者)にも知恵が必要となります。

 

近隣から渦中に飛び込むならば、渦中までの道のりの情報も書き留めておく。これらも次に外に出る時に活かせられます。となれば、「地図」も数種類必要ですね。

 

情報の鉾先となるルート(目的地)さえ構築出来れば、短日で支援者を寄せる事も可能でしょう。この場面では何と言っても「無線機」が有効です。

 

■情報の鉾先

では、情報の鉾先となる部署をエントリーしてみましょう。

 

影響の無い地域の「交番(駐在所)・消防(分署・分駐・本署)・役場・放送局」。情報メモを持ったアナタは、道中、最初に遭遇する先の建物に飛び込み、状況を説明します。

 

特に、募集情報はラジオ局に与える事で、速効性が得られます。支援者が必要な事は警察・消防側でも読み取れるでしょう。

 

そして次に入り込む時には、渦中で不足していたものを揃えて向います。また、物流のある地域へは、支援の為の受口(情報と物資、人員派遣など)を設けてもらう仕掛けも必要です。

 

側近者で行う初動(情報を表に出す方法)

上記は要領として記載するもので、確定ではありません。また、図案は徒歩ですが、状況に合わせ手段は変わります。あくまでも「最悪」を想定して表現させてあります。


8、無闇に撮影をしてはいけない

プライバシーと人権は、如何なる場合も尊重しなければなりません。

 

記念撮影は元より、記録として写真を残すにも、被災者の同意なく被写体とする事は避けます。また、避難所内ヘ入り込もうとする放送媒体にも一旦ストップをかけ、運営側に話を通す様に手配します。

 

避難所や集団生活の場の入口には、ブルーシートを使い、直視出来ない様にし、少しでも安らげる時間を作ってあげる事も必要です。

 

その反面、被災者はお客様では無い事も意識しておきます。

元気な方「自ら」が動いて頂ければ、「自立」への短縮も期待出来ます。

 

逆にこんな場面もあります。

アナタが被災者行動をとる事になれば、放送メディアを活用して、その場での困り事や希望する事、不足するものなどを呼び掛けてみます。当然、安否も伝えられるでしょう。そういった企画も「被災者」の立場で組んで行けるのです。

 

その為には、報道側と仲たがいするのではなく、つながっていられる気くばりも重要ですね。


9、無理・無茶をしてはいけない

さて、前項にも記載しましたが、発災当日からの長期活動による気疲れは、並み大抵の物ではありません。ましてや自身が被災者で且つ、活動者となれば、今からの生活へもまだまだ気を回さなければなりませんし、どこに行けば休まるかさえ解らない状況となります。

 

自身が当事者であるが結え、安らげない状態を避ける為、支援者が導入された時点で、プライベートスペースの手配を相談しましょう。

 

また、当事者からは言い出せない事も考慮し、支援者は率先して休める状況を作ってあげます。

 

総ての活動者に言える事ですが、従事期間が決まっているが為に、「その間は無理をしてでも…」となるケースが見受けられます。

 

打開策としては、複数名での班別けにし、更に時間帯で交代させる方法を取ります。

 

また、ボランティアセンターやボランティア本部が立ち上がれば、自分が行って来た(立ち上げた)項目への補充を依頼します。

渦中となった場合、先陣を切る事も、引き継ぐ人を見つける事も、タイミングを見計らって、遠慮なく持ちかけて行くと良いでしょう。

 

けっして自分一人で背負う事がない様に、仕向けて行きましょう。


10、生命保険未加入者は活動出来ない

ボラの社会的補償は、最後には自己で加入する生命保険となります。

保険には単なる補償だけでは無く、以後の生活を守ってくれ、家族への負担も軽減してくれる要素があります。

 

一番の理由として、発災時にケガを負う事です。ケガを負ってからでは「保険」には加入できませんし、以後の活動も出来なくなります。

渦中となった際には、既に保険加入済であることで、効力が得られます。

 

これが、「備え」となり、言い方を代えると「危機管理」から、最終的な「社会的補償」へとつながって行きます。

 

もう一つは、事前に「ボランティア保険」に加入済の方の「勘違い請求」を防ぐ事が出来ます。

発災した瞬間は、まだボランティア活動には該当せず、当然、活動証明も発行できません。時点で障害が発生しても対象にはならないのです。

 

この発災から活動までの空白を埋めておけるのが、一般的な「生命保険」です。その他に、個々で任意加入可能な、人身対応型の「災害保障保険」といった商品も発表されています。

 

ネット上で「災害保険」と検索すると、「火災保険」「地震保険」となり、なかなか災害によるケガへの保障に出会えられません。そこで、「災害保障保険」「災害補償保険」で検索すると、労災関係がヒットします。

中でも、「災害保障保険」では、「楽天」の商品がヒットします。

生保未加入者で「活動」を考えている方には手頃なものでしょう。

時代によっては、カテゴリが無くなる場合や、金額に変動もありますので、必要となる際は、上記の「語句で検索」なさってください。

 

これらを考慮の上、先ずは、自分が被災する事を軸に考えて、行動に移す事が絶対条件といえます。

任意加入の「災害保険」の必要性

★発災時に有効な人身保険が必要

 

ボランティア保険類だけでは、加入期に「空白」が発生する

1、ボラ保の多くは窓口加入であり、タイムラグが発生する。

  発災した瞬間には、すでに加入されている事。

 

2、年度制の為、発災のタイミングによっては有効期限が過ぎてしまう。

  被災地点(移動中・村落など)によっては社協もVCも無く、継続手続き不可能となる。

 

3、怪我を負ってからでは加入は出来ない。

  渦中になった時点で効力がなければ無意味である。

 

4、重複加入はできない。

  団体名簿の作成時には抜粋する必要があり、この届出の為に別紙で作成する事となる。

事例1)管外者(被災者以外)で地元社会福祉協議会で加入する場合

ボランティア活動の為、被災地へ向かう場合は、被災地にて加入する事となり、移動中は未加入となる為、途上事故に遭遇しても対象とはならない。

また、管外の場合、発災日に窓口は開かない為、ここでもタイムラグが発生する。

事例2)被災地では(既に加入済の方でも問題が)

しかも怪我を負ってからでは入れないし、活動中の事故で無い限り補償は効かない。また、以後の更新も出来ない。

「災害保障保険」の必要性

★災害時に有効な人身対応のできる保険が必要

事例3)被災地の当事者

被災当事者となった場合に見受けられる光景です。

こうなってしまってからでは、既存加入の生命保険を充当する事となります。

万全を期する為には、幾種かの保険を組み合わせる必要がある。

 

保険は商品であり、私達が希望する事項が入っていれば良いのですが、なかなか希望に添うものがありません。

そこで、保険会社さんに提案ですが、チョイス型の商品を考えていただけると非常に有り難いと思います。

生命保険は既に入っているから後は「災害時のケガと災害時に使う品々に保障を付けたい」など、チョイスして組み合わせられると、加入者もどの部分に保険をかけたのか理解しておけるのではないかと思います。