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☆その場にあるものを有効に使えるか!機転をきかせる事!


防災訓練は事前に「会場となる場所に準備され、終始、完璧に揃った状態」で行われます。実際には、そこへ向かうまでが困難であり、到達できない事も、住民たちには知っていて欲しい方面なのです。

物事には目に見えない穴があります。少し掘り下げて考えてみましょうか?!

 

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さて、「災害」は規模の大きい自然災害だけではありません。

ある夜、中層ビルで火災警報が鳴り、警備員が現場確認のため、警備室から向おうとしていました。そこへ2報目の警報音が鳴り、1報目の4Fから上階へ登る、5F階段の煙感知器でした。連続発報とあらば、真火災として対処するべく訓練されていた警備員は、当然、真火災として現場へ向います。

当人は先ず現場へ向い、状況を報告する様に訓練されていたそうで、階段を掛け登ると上階から数名が降りてきて、事情を聴きつつ、更に出火階へと登り続けました。

そして出火階と思われる、一つ手前の階で消火器を1本、手にしてから向ったのです。

 

彼は何故そういう行動をとったのでしょう?

「途中、すれ違った人が居るという事は出火階にも人が居て、既に消火器を使っているかも知れない。」そう思った彼は、直下階で消火器を得ようと、とっさに考えたのです。

 

確かに警備員室から消火器を持って行くには、現着時間に影響が出ますし、途上の変化にも対応し辛くなります。また、常に警備室から出向くとは限りません。

 

案の定、出火階には3名の男性が居て、その階に設置されていた消火器を用いて消し止めていました。これが室内火災だとすれば1本では足りなかったでしょうね。

 

昼夜問わず、人の居る建物は、直近以外で消火器を調達すると手に入る確立は高くなりそうです。

 

このようにどんな時でも機転を効かせられると良いですね!


東日本大震災事例

2011,5,1 産経新聞より

東日本大震災が発生した2011年3月11日午後2時46分、宮城県東松島市のJR仙石(せんせき)線「野蒜(のびる)駅」を出発した上下2本の電車があった。ともに一時行方不明と報じられたが、下り電車は丘の上で停止、地元住民のアドバイスに従って乗客は車内にとどまり無事だった。上り電車はJR東日本の内規に従って誘導された指定避難所が津波に襲われ、数人が命を落とした。乗客の証言などをもとに、小さな駅で交差した生と死を追った。(梶原紀尚/産経新聞)

 

☆機転をきかせる事!

 

■上り・皮肉な結末

仙台方面の「あおば通」行き普通電車(4両編成)は午後2時46分、野蒜駅を出発した。直後に激しい揺れに襲われ、運転室に緊急停止を告げる無線が入った。停車したのは駅から約700メートル進んだところだった。JR東日本には、災害時に緊急停止した場合、乗務員は最寄りの指定避難所などに乗客を誘導する内規がある。

 

指定避難所は、電車が停止した場所から北東約300メートルにある野蒜小学校の体育館。車掌らは内規通りに乗客約40人を誘導。ところが、直後に体育館を津波が襲い、数人が亡くなった。電車も津波で流され、脱線していた。

 

■下り・乗客の機転

下りの「石巻」行きの快速電車(4両編成)も野蒜駅を発車直後、突き上げられるような衝撃が襲った。電車は小高い丘で停止。車掌らが乗客約50人を3両目に集め、避難誘導しようとしたが、野蒜地区に住む男性乗客の1人が制止した。

「ここは高台だから車内にいた方が安全だ」

 

皆、その言葉に従った。

 

しばらくして轟音(ごうおん)とともに津波が襲来。あっという間に家や車をのみこんだ。家の屋根につかまりながら流される70代の男性を車掌らが救出。津波は線路の直前で止まった。冠水しなかったのは、電車が止まっていた丘の上だけ。乗客の東松島市のパート、渋谷節子さん(61)は「少し前に進んでいても後ろでも、津波に巻き込まれていた」と振り返る。

 

津波は避けられたものの無線も携帯もつながらず救助も求められない。夜になると吹雪になった。乗客が持っていたお土産のかりんとうやまんじゅうを食べ、真っ暗な車内で、寒さと恐怖に耐えた。一夜明け、全員が救助された。

 

■涙の再会

渋谷さんは近くの小野市民センターの避難所に収容された。ここでも携帯電話はつながらず、家族と連絡がつかなかった。会社員の夫、洋次郎さん(65)と長女、百恵さん(25)は周囲の避難所を訪ね歩き、震災4日目になってようやく再会を果たした。

 

その瞬間を見守った小野市民センターの大友晋也所長(67)は2つの電車の明暗をこう語った。

 

「上り電車で犠牲者が出たのは残念だが、乗務員は内規に従っており責められない。一方で、下り電車はマニュアルにとらわれない臨機応変な対応をとった。結局、それが生死を分けたのかもしれない」


☆その場にあるものを有効に使えるか!

主婦の機転!小3男児が池に転落、ペットボトルで“救助”

2011.6.4 10:36

 

3日午後4時ごろ、和歌山県有田川町の池に小学3年の男児(8)が足をすべらせ転落した。近所の主婦がとっさの判断で投げ入れた空のペットボトルが浮輪代わりとなり、約5分後に自力で岸へ上がった。

 

県警湯浅署によると、男児は放課後、同級生3人と同町水尻の扇谷池(直径約100メートル)近くで遊んでいて転落、岸から約3メートル離れた水深約2メートル付近で溺れかけた。騒ぎに気づいた主婦、田中ひとみさんが自宅から2リットルの空のペットボトル3本を持ち出し池へ投げ入れ、男児は1本をつかみ岸へたどり着いた。目立ったけがはなかった。

 

署員が駆けつけると、同級生らは安心し切って泣いており、田中さんは「助かってよかった」と話していたという。

 

湯浅署は近く田中さんへ感謝状を贈る予定だ。