⑧公との連携


地震発災から3~12時間たてば、隣接の広域救助隊・自衛隊・赤十字・放送メディア。最終的には、イヤという程のボランティアが集まって来ます。

 

各々が主となり、活動を行うのですが、外目から見ても連携がとれていない事が伺いしれます。

特に、危険への情報が少ないですね。

 

ボラは自責の活動ですが、危険と分かっている活動は避けなければなりません。しかし、初期の段階では、全てに緊急性があり、危険と背中合わせである事も事実です。

 

『自家用車で負傷者を運んでいる方。』『生き残った発電機を避難場所に移送する企業。』『空いたスペースを救護所に、と整理する事業所』などなど。

当初は「民」の自発的行為が「主力」であり、全てに緊急性がある!のです。

 

地震の場合、管外者からは「どこからが被災地なのか?」が見えないのです。(グラデーションゾーンは被災地なのか?ライン引き出来ない。)

 

その反面、渦中では「どこが一番被害が大きいのか?」も見えませんし、ひょっとすると「向う先が一番被害が大きい」かも知れないという事。

では、安全に行動する為の情報を、どのように仕入れるかというと、移動先で、自衛隊や消防隊と出会います。そこで、彼らから情報を求めてみます。

 

発災当初なら、「今からこの方面に行こうと思うが、道路状況はどうか?」と訪ね、活動者ならば「皆さんはどこに向うのか?」「共に行動しても良いか」をお願いしてみます。

 

「公」が向う先には、必ず「民」が救いを求めています。

 

その地で、彼らと供に「民」で出来る事を行い、また、「公」の為にも「ここにも救助者が居ます!」などと、連絡要員になってあげる。

そんな、関係を保っておけば、「そこは危険物があるから見張ってて!」等と、危険をいち早く知らせてくれる事でしょう。

 

発災当時の現地では、緊急車輌のサイレンも鳴り響き、止む事もありません。そんな中、報道メディアも必死に情報を求めにやって来ます。

 

それが引き金となり、上空ではヘリが引き締めあう状態が続き、瓦礫の下の「声にもならないヘルプ」も、聞き取れない状況となります。

報道も「公」との連携を持ち、共同の映像を配信してくれれば、ヘリの数も減るのですが…。(公共情報の配信統一化へ)

(※ここが「東日本大震災」時にD-Bookをご覧頂いた書記官が原稿になさり、枝野官房長が会見で用いた部分です。)

 

まして、地上ではチェーンソーや怒号など、「耳を澄ませられる状況では無い」事も頭に入れておいて下さい。

生き埋め者が居る現場では、音への配慮は特に必要だと思いますね。

 

※サイレントタイムを導入すると良い!(CB無線では古くから導入)

 

それから、水辺の作業にも危険が潜んでいます。

 

奥尻島やナホトカの重油流出事故といった、海を相手にする時は気象にも左右されます。日によっては高波が押し寄せ、危険と判断しなければならない事もあります。

 

大勢が集まると安心するのか、「少しぐらい高波が押し寄せても平気だ。」と、波打ち際ギリギリまで出てしまう。これが恐いのです。ボラしか居ない現場でよく見る光景です。

 

突然、あなたがその場から姿を消したら、誰か気付いてくれる方は居ますか?

 

それから、活動時の服装にも気を使いましょう。万一を考え、救助色を用いたライフジャケットを装着しておくのも、周囲へ存在を知らせられ、お手本にもなりますよ。

 

公と民の違い⇒それは「装備の違いダ!」

 

「公」は「それを行える専用のツールを持っている」事です。

消防ではポンプ車、救助車、救急車。自衛隊には炊出し、給水、ブル等の重機、さては防医まで。それを行う為の専門家が、専用の道具を抱えてやって来る!という事です。

 

この事を考えても、「公」との連携も大切だという事ですね。