☆孤独死と連鎖死


孤独死

被災後に独りで生活する方の内、30%程度の方が孤独を語っています。

 

年令に関係なく、現実を実感すればするほど、「孤独」を意識し始めるそうです。時間が経ち、落ち着いた頃に表れてくるので、周囲の方の目配りが必要な部分でもありますね。

 

「お隣のおばあさんの部屋が最近物音さえしなくなったね。」

 

そう聞けば、直ぐさま駆け付けられる体制が必要なのです。しかも、直近でそれを気にかけてくれる人も必要だという事!

連鎖死

こんな事象もある事を知っておいて下さい。

 

乳幼児をかかえる片親家庭で、親が室内で病死。残された「乳幼児」は自力では食する事も、人を頼る術も知りません。

結果、数日後には餓死してしまっていた。

 

こんな事件も発生し得るのです。それも、災害とは関係なく日常で発生する可能性があるのです。

 

老老介護にも当てはまりますね。寝たきりの方の面倒を看る側が倒れてしまえば、寝たきりの方は息絶えてしまいます。

 

いよいよ福祉にも、「防災」軸の必要性が見えて来ました。


☆都会の盲点 さいたま3人餓死?

一円玉数枚のみ 国の「通知」生きず

産経新聞2月22日(水)7時55分配信

 さいたま市北区吉野町で、60代の夫婦と30代の息子とみられる男女3人が遺体で見つかったアパートの室内には食料がなく、市への住民登録もなかったことが21日、埼玉県警や市関係者への取材で分かった。生活保護も申請しておらず、民生委員の見回り対象からはずれていたことも判明。電気、水道などのライフライン維持に関する国の通知も、趣旨が生かされていなかった。「貧困」が就労年齢世帯にも広がるなか、3人が都会の“盲点”となった実態が浮かび上がる。

 

◆急にやせた

 さいたま市郊外の田畑や倉庫などが点在するのどかな地域にある3階建てのアパート。遺体は1階の一室から見つかった。

 

 「おじいちゃんと息子さんが住んでいて、あいさつするといつもニコニコと返してくれた」

 

 同じアパートに住む女性が振り返る。

 

 部屋は2DK。夫婦とみられる男女は6畳間、息子とみられる男性は隣の部屋で見つかった。部屋に水が入ったペットボトルがあったが食料はなく、現金は一円玉が数枚のみ。嘔吐(おうと)物の入ったバケツもあった。薬は見つかっていない。

 

 この住民女性によると、「7年ぐらい前におじいちゃんが急激にやせ、体調を崩したのかなと思った」という。

 

 アパート管理会社などによると、部屋は昨年夏ごろから家賃が滞納され、昨年12月ごろからはガスと電気も止められていた。管理会社の職員が11月下旬ごろに家賃の催促に部屋を訪れた際、妻とみられる女性に会ったのを最後に、3人の姿は確認できていない。

 

 県警は、3人は餓死した可能性が高いとみて22日に司法解剖して調べる。

 

◆新たな困窮

 

 生活に困窮した一家が死後発見される例は全国で相次いでいる。

 

 昨年1月には大阪府豊中市のマンションで60代の姉妹が、今年1月には札幌市白石区のマンションで40代の姉妹が、それぞれ遺体で発見された。いずれもライフラインが止められても生活保護を受けておらず行政のセーフティーネット(安全網)が機能しなかった。

 

 厚生労働省は平成22年の猛暑で熱中症となった生活困窮者が相次いで死亡したことを受け、電気やガスなどを止める場合は、事業者と自治体が連携をとり、生活保護の受給を勧めるなどの対応を取るよう通知した。しかし、今回もその趣旨は生かされなかった。

 

 生活保護問題に詳しい小久保哲郎弁護士は「これまでは高齢者や障害者が社会的弱者とされてきたが、現在の日本は不況が続いており、若くても職がなく困窮してしまう場合も多い」と指摘。「厚労省の通知は建前になっている。自治体は昔ながらの社会的弱者だけに目を向けて、新たな困窮者をフォローできていないのではないか」と話す。さいたま市北区の福祉担当者は「同様のケースを今後把握できるのかどうかは難しい問題だ」と話す。

 

◆相談を断る

 

 部屋の住人夫婦はいずれも65歳以下で息子も成人していた。日本福祉大健康社会研究センターの鈴木佳代主任研究員(社会階層論)は「家族構成から民生委員の見回りの対象家庭になっておらず、周囲も何とかなるだろうと考えてしまった可能性がある」と話す。

 

 付近住民によるとこの部屋に住んでいた女性に「民生委員の所へ相談に行こう」と持ちかけたが、女性はかたくなに断ったという。

 

 札幌市の姉妹も区役所に困窮を訴えたが生活保護は申請しなかった。小久保弁護士は「近年、生活保護の受給への風当たりが強くなり申請に気後れしてしまうこともある」と、困窮者が生活保護に「抵抗感」を持つケースがあると指摘する。

 

 「3人は一切、行政との接点がなかった。民生委員に連絡してくれれば助けられたのに」。さいたま市北区の福祉担当者は、そう言って肩を落とした。


☆4歳障害児、母親病死で衰弱死か

TBS系(JNN)2月22日(水)17時43分配信

 2月13日、東京・立川市のマンションで40代の母親と4歳の息子とみられる2人が死亡しているのが見つかりました。警視庁で捜査を進めた結果、息子には障害があり一人では食事ができなかったことから、母親が病死した後、息子が衰弱死したとみられることがわかりました。

 

 2月13日、東京・立川市のマンションの1階の部屋で40代の母親と4歳の息子とみられる2人が死亡しているのが見つかりました。警視庁によると、遺体は死後2か月ほどたった状態だといいます。

 

 警視庁によりますと、4歳の息子には知的障害があったということで、遺体発見時、体重はわずか10キロほどしかなく、胃の中にも何も入っていなかったということです。一方、母親の死因は「くも膜下出血」と判明。

 

当時マンションでは2人で暮らしていて、警視庁は、母親が病死した後、男の子が助けを求めることができず衰弱死したとみています。

 

 立川市などによりますと、母親は去年5月から男の子のために、市が障害児のいる家庭に対して行っている「紙おむつ宅配サービス」を利用していました。市の委託業者が月に定期的に自宅を訪れていましたが、最後に紙おむつを渡したのは去年12月上旬。今年1月中旬に業者が自宅を訪ねた際には応答はなく、1月下旬に市の担当者がケースワーカーを派遣した際も、玄関がオートロックのため、母と男児の安否を確認することはできなかったといいます。

 

 「2人亡くなられたことは誠に残念。二度とこういうことが起きないよう検討していかなければならない」(立川市役所 障害福祉課 松村正一課長)

 

 警視庁はさらに詳しい経緯を調べています。(22日17:27)