連続車輌放火事案を民間側で災害指定した!


事の発端は、1999年5月に発生した車輌火災でした。
アパートの駐車場に停めてあった、居住者のクルマが燃えているとの事で、消防が出動。6月末までに、類似事案が数件発生していました。

 

当時、私はセキュリティーチームSWATとして、講演活動を主に行っていたのですが、災害支援ボランティアとしては全国初である「災害機動通信隊」に、「警戒活動をさせようかな」と考え、当事案を意識し始めたのです。
ですが、この時点ではまだ「連続性あり!」の判断が得られず、「ひょっとして勇み足になるかな?!」という考えもある中で、攻略を練る事にしました。

 

先ず、考えたのは
・民防のネタは何があるか?⇒火事だ!119がある。⇒火災へのアドバイスができる。⇒防げる!

 

・では、状況をどう伝えるか?⇒車輌だけにしぼれるか?本当に放火なのか?⇒災害として位置付けるには何が不足しているのか?⇒警察の情報が欲しい。⇒消防調査からの見解を聞く。⇒災害指定へ

 

・どこの誰を対象に、何を使って動くか?⇒直接活動が出来るか?⇒犯罪性質がある場合は個々の存在を明らかに出来ない!⇒ならば地域住民を動かす。⇒広報活動を事務局の直轄とし、アンテナショップから広がりを求める動きをとる。

 

 

上記の様に、判断基準と問題点を書き出してみました。

 

後は、《活動定義》をクリアする方法を考え出せば、活動はできる!そう結論付けてみたのです。
《活動定義》については後半にて記載致します。


立場によっては犯罪であり、また、災害でもある!


ここでもプラットホームが邪魔をする!

 

一つ言える事は、立場がかわると見方も変わるという事です。

 

警察内部でも、《捜査側》は「検挙にまさる防犯無し!」と言うくらい現場を押さえたがり、《地域課》側は「交番の担当地区では犯行に及ばせない!」と息巻いています。
もちろん、火災ですから消防も加わり、こちらも防ぐ側での見解となります。
ここで、大きな狭間がうまれる事は明白ですよね。

 

我々、防災ボランティアはと言うと、「何の権利権限も無く、更には実力行使もする事無く。」を考えての動きを取らなければなりません。地域的には、自分たちの地域で発生しているわけですから、やはり『住民に動いてもらわなくてはならない』となるでしょう。
また、民防の呼び掛けで動く住民へは、安全な活動をお伝えしなければなりません。
そんなこともあり、広報チラシの作成時にはかなり神経を使ったつもりです。

 

それと、対象となる地域も広範囲であり、何と言っても、「明日は我が身。」であり、「対岸の火事意識」を無くす様にも、仕向けて行かなければなりません。
そう考えると、必然的に「防ぐ側」に立たなければなりませんよね。

 

そこで、【SWAT】がとった行動は、
1,チラシの構成
2,エリア⇒警戒区域を明確化させる
3,配付先のリストアップ⇒配付の順番(内角と外周を警戒区域に)

 

ここにも【SWAT】なりの作戦があるのです。


犯人との知恵比べ!


チラシの構成では、
①防御法
防ぐテクニックをお知らせし、行ってもらう事により、あわよくば目撃情報につなげられる細工を。
 ★時差監視と水まき防犯の紹介。

 

②深夜帯の犯行を考慮
対策を施した地域には、捜査員を配置する必要が無い為、他の地区を重点的にマーク出来る。上手くすれば、犯行を制御出来るかも…
 ★簡易監視カメラの設置法と録画の行い方を紹介。

 

③実行犯への威嚇
犯人にも「水まき防犯」の水溶液の意味と、POPの意図を知らせる事により、犯行を制御出来る。
 ★警戒POPへの仕込み(ピンホール)カメラの意図を表面化させる。
 ★センサーライト設置し、作動場所を知らせる。
 ★室内監視と電波を使った監視方法を表面化する。

 

④住民の警戒心持続
「他の地域のボランティアが頑張っているのに、地元が知らん顔していられるか!」と奮起させ、飽きられない内容に。
 ★防御法のアドバイス項目の掲載。
 ★手元に残させる為、両面印刷にて、裏面には人着表をレイアウト。

 

⑤官公庁の発行物との格差を持たす事
民間防災だから、言い伝えられる事があると思っています。
各家庭で行いやすい手法を掲載し、実施する様に仕向ける。

 

先ずは、この5つの要素を折り込み、発行タイミング等を考慮し、強弱を付けて書き上げる事が有効であろうと、その時は感じ、次ページから掲載します、チラシとPOPを作成してみました。