⑦そこはどこ?ここはどこ?


前ページより、度々、問題点として取り上げています「地番(所在地・住所の事)」ですが、道産子ですら、となりの番地を知っているかといえばNOですね。

ということは、管外からの活動者にとっても、ピンポイントな地番はわからないという事です。

 

検索活動を行い、倒壊した高層ビルの中にて要救助者を発見!無線機で消防本部に連絡するも、そこがどこなのか?が伝えられない。周囲には目印になるような建物も被災し、目標物にはなり得ない。

 

さてどうしたものか…

【身の回りに何がアルか?手に入るものに着眼する】

 

そうだ!これを使おう!!

クルマからカーナビを外し、スイッチを入れてみた。

縮尺を最詳細にすれば、主要な名称が出て来る。

これを伝えれば良いのだ!

クルマから取り出したのは、ポータブル型のナビです。

正直、今まで利便性を考えていなかった代物が、思わぬ場面で活躍する事になります。

通常利用では、高架道路の下を走っていると、GPSの電波が途絶え、ルートガイドの役目を果たさない。といった欠点があります。という事は、建物内では使えない事があるので、操作は屋外で行うと良いでしょう。

このように、普段から生活の中に溶け込んでいる品々にも、着眼すれば、非常時に使えるツールがある!という事を知っておいて下さい。

この記事が出回る頃には、携帯電話にもGPS機能が付いていいるかもしれませんね。


問題点は

津波被害の後、既存していた目標物も道も、線路も何もかもが崩壊して違う所にあったり、ガレキに覆われ、隠されていたりと目印にあてがう事が出来ないのです。

 

そんな中、陸の孤島となった場所まで向かうまでにも、半端なく瓦礫を乗り越えていきながら、さては迂回しながらとなって、自分の居る位置が分からなくさえなる。目標物はすでに流され、道だと思って踏み込んだところには、木材やクルマが辿り着いている。そこから先に進めない。

 

地図なんて詳細図じゃないから宛がうことすらできない。

 

そんなことを考えて自分が迷子にならないよう、GPSコンパスは準備してはあるものの、その位置をどこに伝えられ、誘導してくれるのか?

 

誘導する側は、この邪魔者の存在は知らないわけで、平坦な地図を宛がってくる。

 

そうして辿り着いた先に30名の孤立者が居て、次にはその人たちへの物資を送り込んでもらう必要がある。

しかし、どのコースで辿り着いたのかは、今使っているGPSコンパスのデーターをパソコンに落とさないといけないのだ。

となると、もう一度、設備のあるベースキャンプ(基地)へ戻らないといけなくなるんだ!

 

と、お伝えすればその場面を想像出来ようかと思います。

つまり、その状況と状態は言葉だけでは三者には伝えきれないという事と、基地にも自分の位置をタイムリーに知ってもらう必要があるんです。

 

更に、映像が加われば言葉少なく伝えられるのですが…。

この辺りは民間ボランティアじゃ無理なんですよね。


アナタはどこに居るの??

自分が被災したとき、「私はここに居る!」を知らせられるツールが必要!

 

パトロールカーにはカーロケーションシステム(通称カーロケ)というのがついている。

このカーロケは、GPSを用いて本部のモニターにパトロールカーの現在位置を標すシステムだ!(タクシーにも設置されつつある。)


警察本部指令台のモニターにはパトカーの位置情報が表示される

パトカーに搭載するカーロケ端末

このシステムを活用すれば、持っている方が意識の無い時・迷子・土地勘の無い場所での活動時などの検索に応用が利くという事なのです。

 

探る側が任意で調べられる事がポイント!!

 

探知だけを目的にすれば衛星経由ではないが、狩猟犬の首輪に仕込む装置もあり、これはビーコンの電波を探知機で追っていくシステムです。

 

GPS経由であれば、調査会社にはリアルタイムで表示する「車両追跡装置」を用いているところもある。

 

リアルタイムで表示されれば、不慮の事故の時など「意識がない時」にも使え、障害物の多い被災地を歩く時にも基地局側で道のりを把握できる!

 

写真はクルマに取り付ける追尾専用発信機。

個人対応が利くのは「セコム」のココセコム等があるが、何といっても自分で操作できる物ではない。

 

つまり、自宅のパソコンで自分が知りたいタイミングでの操作が出来ないのだ!

ということは、災害時の管外活動にとき、例えば災害救助犬活動者などに持たせる場合でも、逐次セコム経由で位置を確認することとなる。

 

これもネック!「周波数問題」

使える周波数には法律的にも限りがあるのです。


道路表示(標示)

高速道路には「キロポスト」という標識が設置されている事はご存知だろうか?

ドライブにでかけ、山間部を走行中に事故に遭遇。

周りには人家も目標となる物もない。

 

119番や110番に連絡する為には、民家のある「ふもと」まで行かなければならなかった…。携帯電話を持っていても、そこの地番も位置も知らせられなかった。

 

これが、「山登り中の滑落事故」だったら?

 

通報には先ず「その場の位置」=「どこなのか」が伝えられるかがキーポイント!!

 

近年は「携帯電話」などの移動通信系には、自局位置を発信させられるシステムも付加され、受信側(110番など)にもメリットがあります。

 

なんといっても「目印」=「標(しるべ)」が重要ポイント!!

 

一般道路にも「高速道路」に設置されている「キロポスト」標記があると良い!

全ての路線では無いが、事故の多い県道には下記の様に設置されている道路もあるのだ!!

これは民家の少ない路線には必要ですね!

通報時は赤マル部を伝えれば良いのです。


「それを知りたがっている側」も居る

災害発生後、いち早く駆け付けるのが「自衛隊」の航空機。被害状況等の映像を本部基地局へ配信し、現況を知り、対策へ向かいます。

作戦ネタの大もととなるのがこの映像なんです。

ヘリからは「現在○○地区上空を○○方向に頭を向け飛行中。」などと報告がなされるのですが、そのヘリからの映像を受ける側には、詳細な場所をピンポイントに押さえられないのです。

 

そこで登場するのが「対空標示(表示)」!

通称「ヘリサイン」ともいわれる、頭上から見える「しるべ」です。

山間部に標示されていれば、ガケ崩れの場所も伝えやすくなるでしょう。

交通表示との区別として「横書き」になっています。

この道路の制限速度は「105km/h」ではありませんよ!!

「対空標示」を用いているのは道路だけではありません。

 

災害時の避難場所となる小学校にも!

そして「犯罪捜査」にも活用されているんです。