◆1999年7月 活動開始!


初動時のチラシとPOP
初回の犯行は5月に発生し、この時点では、車輌だけが対象とは断定出来ない為、あえて「不審火」と表現した。

 

《構成の意図》
★タイトル;チラシは物腰の柔らかい文言にし、住民へのあたりを考慮した。
POPは単刀直入に表現し、目を向けてもらえる様にインパクト付けした。


★背  景;発行当初は「連続性」とも断定も出来ず、バックのイメージはあくまでも火災を意識させるイラストにした。

 

★レイアウト;「防管協」を全面に出したのは、防火管理者は各事業所に存在する為、所在が明らかになりにくい事。犯人には脅威となり得る事。且つ、火災予防にうってつけである事。
また、当初からの狙いで、POP・チラシの背面に、ピンホールカメラを取り付けられる様、黒ベタでTMをレイアウトした。

下部には配付者名を載せられる様にし、配付枚数の確認が出来る様に考慮した。後期チラシには「配置先住所」を記載する様に改訂した。
これは、発見者が110番や119番時に、確実に住所が言える様にしたもので、通報が早ければ「検挙につながるだろう」との思いからである。

 

★本  文;先ず「住民」へ『何を行えば良いかをお知らせする事。』そして、長続きさせる為に、手間をかけないで防げる!事(水まき防犯)を掲載し、住民に興味を持たせる工夫を行った。その反面、犯人へは「水まきされている部分には入れないんだ!」という思惑も含んでいる。

◆1999年7月~8月

★初回に同封した案内状
掲示・発行をお願いする為に、チラシの原本に同封した挨拶状。

★8月用チラシ発行時の案内状
当初から依頼していた店鋪宛に8月用の原本配付時に同封した挨拶状。

案内状には本来の意図をすべて伝えず、身構える事無く配付して頂ける様に、簡素な書き方にしました。

★1999年10月 長期化の兆候あり

★A面;季節の変わり目でのアクションで、手に取る側に飽きさせない工夫が必要な為、「水まき防犯」用水溶液の作り方を掲載した。

★B面;エリア拡大の恐れを感じていた為、犯人へは威嚇する意味で仕向けた。住人からは、簡易監視装置の発想が良いとお誉め頂いた。

◆1999年10月 多方面からの配付も考慮

★A面;防犯ズ名で「水まき防犯」を促進させる為に作成。元職を中心に配付を依頼した。

★B面;SWATと同内容。「水まき防犯」の定着に利用した。

活動隊名を増やした理由には、配付依頼先が関係して来ます。やはり、その筋に依頼する為には、その方面の活動体が無いと動き辛く、配付しにくいですからね!

★1999年11月 飽きさせない工夫が必要

★A面;日暮れが早くなる事から、犯行時間も早くなる可能性を考慮。更には対象を「車輌」と表現し、駐車場内と車輌への「水まき防犯」を呼び掛けた。

★B面;目撃者を増やす為には「時差監視」を行ってもらう事。そして、怪しむ目を持たせる事。
チラシを手元に残してもらう為にも、人着表を掲載した。

◆1999年11月SWAT&災害機動通信隊 連名にて

連名にしたのは、多方面での活動者が居る事を、地域と犯人へ知らせ、且つ、デザインを変える事により、新鮮味を出す。そして、懸念される事項を掲載し、意識させる事を主に考えた。

10月には「災機隊」専用のハガキ型チラシも作成し、アンテナをかかげたクルマをモチーフに印象づけてみた。

 

これは、「アンテナを付けた車輌は、活動者である!」という、住民へ安心感を与える事と、犯人への威嚇をも考慮して用いた。

 

モービル無線を用いる発想は、当該地域には、建設会社・タクシー会社が多くあり、HAMのアンテナをあげている家屋も多く、それに伴い、モービル局も存在する為、無線使用者の存在を利用する策をとったもの。

同時に、当該地区のHAM家へは「災機」への参加もお願いした。

 

◆1999年11月 未だ被疑者特定に至らず!

広域化を懸念し、当該地域の小学校を始めとする、中学校・高校に、チラシの原本と案内状を送付した。

 

冬季となれば、空気の乾燥により延焼火災も危惧される為、地域指定を行い、学童宅への配付を依頼した。

 

時節に合わせたビラを打っていると、一本の電話を受けました。
地元のテレビ局からで、POPの撮影許可と取材の依頼でした。
POPの撮影は許可したものの、未だ犯人が挙がっていない事もあり、存在を露にする事は不可能と思い、出演はお断りしました。

 

同時期に東京・大阪でも放火による火災が発生し、東京の事案ではゴミステーションに火が着けられ、「水まき防犯」を紹介させて頂きました。

★1999年12月 冬季バージョン

消防団・町会・店鋪・学校から、同内容で一斉配付へ

★A面;地元中心型のイメージで「当該消防団」の広告を載せてみた。もう一つの狙いは、分団長の連絡先に何かのアクセスがあれば!と思い、仕掛けてみた。

★B面;「水まき防犯」も冷水季となれば凍結の心配もある為、「溶液の濃度を上げると不凍液になる」旨を書き足してみた。
尚、この時点で移動監視を室内監視に移行する。

◆2000年1月 新たな策

今日までに、活動の筆頭先としてお願いしていた、「防火管理者協力会」「防犯ズ」「災害機動通信隊」「3町会の町会長」「学童保育所」へ、今までの動きを踏まえた、新たな策を提示し、協力を要請した。

◆2000年2月 危機感を持続 表現を「時差監視を強化!」に

★A面;住民の危機感も薄れだしている為、表現を変えてみた。

★B面;この面は冬季間は兼用とした。

窓越しの監視を薦める理由として、窓ガラスの結露があげられる。
室内監視としておけば、窓の結露を拭かせる事ができ、犯人からすれば「監視活動するお宅?」と勘ぐるだろう!
実際、外からの出火をいち早く認知するには、厚手のカーテンや雨戸を開けておく事です。

★2000年3月 犯人が学生なら卒業してしまう!かも

★A面;未だ有力な情報が無い為、チラシにピンホールカメラを仕込む裏ワザを、別紙で説明書きした。

★B面;検索犬の募集を呼び掛けたのは、「水まき防犯」とも活用出来る事を表現する為に掲載した。

◆2000年3月末 容疑者特定につき一時休止!

★A面;2000年4月に、配付や見回りで動いて頂いた箇所へ、活動報告と合わせてお配りしました。

★B面;裏面には防火管理者協力会への参加申し込みを掲載し、広くPRさせて頂きました。

新聞にも取り上げられた消防団名のチラシ。

実はここでも所在を明かす事が出来ない為、消防団名で報道して頂いたのです。

新聞には寺町でも放火と報道されています。
当事案に携わっている間にも、寺町の寺院で講演会を開く予定でしたので、「まさか?!」と思った出来事でした。
というのも、警察からも「私たちの動きを気にしているだろう」と、聞いていたからです。
これにも理由があり、POPとチラシを貼った場所を避けて、犯行に及んでいる事が明白であり、一時は私たち活動者にも疑いを持っていたのです。
最終的には、協働する事になったのですがね。よかった よかった!